僕は家に上がらせてもらうと、諸星さんの仏壇に手を合わせた。

写真の中の彼女はいつもの笑顔で笑っていた。


「そうやって来てくれたのは川本君だけかな。」

おばさんはお茶とお菓子を出しながら言った。

「え?みんな来てないんですか?」

「うん。きっと忙しいのね。みんな大学生だし人生の大きな分岐点だし。」

いや、みんなが来ない理由はきっと他にある。