「おはよ」 「お、おはようございます」 階段を降りて藤原先輩の前に立つと、藤原先輩は頭を下げた。 「えっ?!ちょ、藤原先輩?!」 「ごめん!」 「…え?」 「昨日は、ほんとにごめん」 「いや、そんな、大丈夫です!」 そう言って藤原先輩の腕を掴む。 「頭、上げてください」 私の声に、ゆっくりと頭を上げると、私を引き寄せた。 「…え、え?」 フワッと香る、いつもと同じ香水の匂い。 その匂いに安心して、藤原先輩に抱きつき返す。