暁天の星



ぶっきらぼうに脱いだ靴を揃えに、廊下から玄関まで引き返した時に見た見慣れない靴。



……やらかした。




リビングに行くと、ダイニングテーブルに全員集合している。



…いや、さすがにやべえと思ったよ。

みんなこっち見てるし。



「ただいま。」

「遅〜い!」

「ん。ごめん。」

「ハル待ちだよ〜?」

「ごめん。」

「ねえ!ハル待ち!」



うるせえ…。



「スミレ、そんなに言わないの。」

「でもハルだもん!」

「ハル。おかえり。座んなさい。」




リカに助け舟を出してもらった俺はいつもの自分の定位置につく。


座ってから感じた視線。


いわゆるお誕生日席に座っていた緊張マックスの雰囲気を漂わせるやつが、こっちをチラッと見ていた。




あ。


バチッと目が合って、慌てて逸らされる。




ああ、こいつか。




「はい!じゃあ、や〜〜〜っと全員揃ったから始めようかな。リカがご馳走作ってくれたからみんなじゃんじゃん食べてね。」



嫌味ったらしく聞こえて目を瞑った。


晃の一声で晩餐が始まる。