【ハルト】
晃から聞いていた。『新しく家族が増えるよ』と。
まあ要は新入りが増えるってことだ。
実際、別に誰だっていい。男でも女でも。
あー、でもこれ以上女の園になんのも癪だから男のがいいか。
…まあ対して気に留めていなかったというのが事実だけど。
だから学校帰りいつものように寄り道をして、いつものように帰宅した。
ただ今日から来るってことを忘れてただけ。
ガチャっと開いた玄関扉の向こうに人影が見える。
まず晃が玄関で仁王立ちしてる時点でマズイと思った。
「遅せぞ。」
おかえり、も無しに晃は眉根を寄せる。
「え、なに?」
「今日はさっさと帰ってこいつってた。」
「…そうだったっけ?」
「はあ?アンタどこほっつき歩いてたの。」
「え、その辺…?」
「ハル待ちだよ、さっさと来い」と捨て台詞を吐いてリビングに消える晃を慌てて追いかけた。


