私は弟フェチだ

「椎名先生居ますか?」


コンコンと職員室のドアをノックすると私は失礼しますと言いながら椎名先生を探す。椎名先生はキムチが大好きなちょっと変わった先生だけど、イケボでそこが魅力的な人だ。意味なくキムチを食わせようとするからいやがる人もいるけどイケボのお陰で一部からは好かれている。


熟女は年下を攻略できるのか?は年上ヒロインとの危ない17禁ゲームなので、際どい台詞もいっぱいあってゲーマーの陽菜ちゃんから少しだけ知識を教えてもらってはいるけど、私の大本命の乙女ゲームではないからちょっとしか知識はない。



「館田キムチ食うか?」


あっ、あんな所にいた。


自分の机?の上に座っている?椎名先生を見つけると私はそっと近寄った。


「椎名先生、机に座りながらキムチですか?」


普通は机にキムチを置いて椅子に座って食べるのが正しいはずなのに、椎名先生は反対のことをしている。


「今日の占いでな、反対のことをすれば一日HAPPYな事が起こると言ってたんだよ!」


にかっと笑いながら椎名先生が言う。
嬉しそうなその表情に私はそれ以上何も言えなかった。



「俺に何か用事か?」


そうだった。忘れてた!


「あの、今日の体育って何をするんですか?」


椎名先生は体育の先生で、私は体育委員になってしまったから授業前に何をするのか聞きにいかないのといけないのだ。


前はマラソンの練習をしたから、今日もマラソンの練習でグランドを走らされるかもしれない。


「マラソンの練習だな!一位になったやつは俺のキムチを食わせてやるからな?」



「……分かりました」


やっぱりマラソンの練習か。キムチの所は聞かなかったことにして早く教室に行かないと。