「もう、先輩卒業しちゃうんですね。」

私と先輩以外誰もいない教室に響く声。

「さみしい?」

先輩は窓から校庭を見つめた。私も先輩の目線の先に視線を移す。

「そんな質問、いじわるです。」

校庭では卒業式を終えた生徒達が騒いでいた。

「ごめんね。ちょっとだけ、優越感に浸りたかっただけ。」

先輩は満足そうな笑みを浮かべ、私を抱きしめた。

「先輩、いつも、いつまでも大好きです。」

私も先輩の背中に腕を回す。