私の彼。

「荒木?」

私は聞き覚えのある声に振り返った。

「藤崎君!」

茶髪に派手なピアス。同じクラスのそこそこ仲いい男子。
といっても、藤崎君は誰にでも仲良くしてくれるけどね。

「なんで逆走してんの?ここ、一方通行だけど。」

不思議そうに私を見つめる藤崎君。

え、ここって一方通行なの!?
どうしよう、先輩に会えない!