「せんぱい!あっちにお守りありますよ。買ってきていいですか?」

私は先輩のコートの裾を引っ張った。

「いいよ。人多いからはぐれないようにね。」

先輩は私の手を繋いだ。

「ごめん、茜。少しだけ。」

そういって、先輩は手袋を取り、私の手を繋ぎなおした。

「茜の手、やわらかい。」

嬉しそうに笑う先輩。

私があげた手袋だから気にしてくれたのかな?そんなの全然いいのに。
……むしろ、こっちのほうがいいかも。