私の彼。

「お母さん。」

私がそっと呼びかけると、その人物はゆっくりと振り返った。

「あら、帰ってきたのね。おかえり。」

そして、またテレビに視線を戻す。

私は一瞬硬直状態になり、急いで、階段を駆け上がった。

やっぱり、変わってない。期待した私が馬鹿だった。


こんな気持ちになるくらいなら、いっそ、私を消してよ。

こんな子、いらないでしょ?お母さん。