一緒に住むことになったが、シグレさんはあまり魔界のことを話してくれなかった。

だから、思いきって聞いてみることにした。



「シグレさん、魔界ってどんなところなんですか?」


「なぜ、そんなことを聞く。」


なぜ、確かに私はなぜ魔界について知りたいか、何て考えたことがなかった。

ただ、人々は天界を楽園だというけれど私は、そうは思えなかった。

本当の楽園は他にあるんじゃないか、そう思ってしかたがない。

だから、魔界のことを知りたかった。

自分がいったことのない世界を知りたかった。



「えっ、魔界について知りたいというだけじゃダメですか?」


「はぁ。わかった、話すよ。」



シグレさんは、魔界のことを色々話してくれた。

魔界での生活のこと、魔界に住んでいる人々のこと、そして魔界を納めている王のような存在の人のことを。



「魔界にも、王様っているんですね。」


「まっ、誰も名前は知らないけどな。皆、魔王って呼んでるから。」


「えっ、そうなんですか?」



まさか、魔界を納めている人の名前を知らないなんて。

天界では信じられないことだから。