眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「ああ。
香織はいまの月原しか知らないもんな。
あいつ、結構もてるんだぞ?」

「そうなの?」

香織ちゃんとは高校に入ってからの付き合いだ。
なつにぃに彼女がいたのって、その前だし。

「うん。
私が知ってるだけで三人、付き合ってた人、いたよ?」

「うわっ。
なんか意外。
あいつなんか、草食系、っていうか、そういうこと関心なさそうだもん」

「見た目があれ、だもんねー」

背ばっかり高くて、ゆるゆるふわふわ。
泣き虫でしょっちゅう、一回り年下の私に泣きついてくる。
泣きながらする、失恋話を何度聞かされたことか。

……でも、いつからだろ?
そんな話、しなくなったの。


亜紀ちゃんたちと別れて家に帰りながら、なつにぃが彼女を家に連れて帰った
日のことを思い出してた。

——初めの彼女は、高校生のとき。

もうおばあちゃんとふたりになってたから、たぶんなつにぃが高三、私が五歳
の春。