眼鏡とハンバーグと指環と制服と

……今日は夏生、日勤だったらから普通の時間の帰宅。
家には勤務表を貼ってくれてるから、毎日それを確認してる。

「今日の晩ごはん、なあに?」

「ハンバーグだよー」

「ほんとに!?じゃあ早くお風呂あがる!」

「そんなに焦んなくて大丈夫だよー」

上機嫌で二階に上がっていく夏生を見送って、ハンバーグを焼き始める。
警備員の仕事は運動量が多いから、帰ってすぐにお風呂だ。

「いただきます」

「いただきます」

「ハンバーグなんてあれ以来だ。
……やっぱりおいしいー」

「……あれ以来、って?」

夏生はご機嫌で食べてるけど。
どういう、こと?

「ゆずちゃんと最後に食べた晩ごはんから、ハンバーグなんて食べたことない
よ。
だって、食べるとゆずちゃんのこと思い出すし、それにゆずちゃんの作ったハ
ンバーグ以外、おいしくないもん。
だから、もう一生食べないんだと思ってた」