眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「なつにぃ……?」

「あれは相手が悪かったんだ。
僕は絶対に、夕葵をあんなふうにしない。
夕葵の苦しみは、僕も背負う」

「うん……」

……大丈夫。
なつにぃが一緒だったら、私はあんなふうにはならない。
それになつにぃ、たぶん同じようなこと、考えてた。
大丈夫。
私ひとりが不安にならなくて、大丈夫……。

私が泣いてるあいだ、なつにぃは黙って抱きしめていてくれた。
私が泣ける、唯一といっていい空間。

「落ち着いた?」

「うん」

なつにぃの指が、そっと私の涙を拭う。

「ゆずちゃん。
……さっき、僕、寝てたとき、キス、したでしょ?」

「えっ、あっ、してないよ!?」

……な、なんで知ってるの!?

「寝てると思ってたんだろうけど。
眠りがかなり浅かったから、目が覚めてたんだー」