幼なじみは腹黒王子










しばらく待ってから、着替えが終わった薫と、2人で登校する。







学校へ行く間の道では、薫に話しかける男子諸君が大勢。






その顔がみんな赤いことを私は知っている。






「今日も可愛いね」





「えへへ、ありがと〜」






そして会話がね。




どこぞのカップルですかとツッコミたくなる。




気がついてないなら言うけど、どっちも男だからね。






と、薫と男子とのやり取りを複雑な気持ちで見ていると。







「すーずなっ!!」




「ぎゃっ!?」






薫と反対方向からタックルされた。






「いやぁ相変わらずいい反応」





にひ、と怪しい笑みを浮かべるのは、同じクラスで友人でもある渡辺瑞穂。





瑞穂は肩で切りそろえた髪を風に揺らしつつ私の肩に腕を回した。







「朝から君の姫さんは人気者だねぇ」






「そーね。てか姫ってどーなの」



「間違ってはないじゃん?」







そんな私たちの会話に、薫はクスクスと笑いながら瑞穂に挨拶をした。