君のクエスチョン

小テスト前の休み時間。


唯は英文とにらめっこをして、真剣な様子。



「唯ー。日誌取ってきてくんね?」



男子が唯の目の前で手を合わせた。



「無理。忙しい」



お調子者で、男子の友達といると楽しそうな笑顔な唯が、いつもと違う。


……そんなに本気になるんだ。どうしても、わたしにそのクエスチョンというのを解かせたいの?



「小テストなんて、簡単じゃん。そんなに本気になんなくても」



いつもと違う様子に、話しかけた男子も戸惑いながら眉を下げていた。


普段なら、唯も『小テストなんて』、って思ってるかもしれない。


それなのに、わたしとの約束一つでこんなにも真剣な瞳になっている彼を見れるのは、正直うれしかった。



「この小テストには、今後の人生がかかってるんだから」


「はぁ? 人生とか、大げさだな。……まあ、頑張れよ」



それだけ言って男子は自分で日誌を取りに向かったけど……。さすがに、人生がかかってるっていうのはわたしでも訳がわからない。


そんなにすごいクエスチョンを持っているのだろうか。