「あ、うん。教室行こうか」



唯は一瞬、心配そうな顔を向けたけれど、それはすぐに笑顔へと変わった。



「英語、一時間目だから早くしないとな!」



わたしと唯は、席が隣同士。


高校2年生になった4月からずっと変わらない。


変わらなくていい。



「で、どこでるの?」



右隣の唯に、教科書で示しながら教える。



「クエスチョン1から、クエスチョン8まで。結構簡単なやつだよ」



勉強が苦手な唯に、一応フォローは入れてあげたつもりだけど、彼の顔はゆがんでいた。



「こんなん、覚えらんねーし。あ、俺が蘭にクエスチョン作ってあげる」


「はいはい。無駄なことしてないで、英語の小テストの勉強して」