「日誌、書き終わったよ。帰ろっか」



自然な流れで、ふたりで帰路につく。


最初こそは何かを考えているようだった唯だけど、突然口を開いた。



「蘭は、その人のどこが好きなの?」


「へ?」



質問の意味がわからなかったわけではない。


ただ、単純に驚いた。



「だって、俺がこの問題を解くにはヒントが必要だよ。蘭が恋してる表情はわかるけど、男子とそんな仲良くないでしょ?」



……うん。わたしには唯がいれば十分だもん。他の男子と仲良くする必要がない。



「えっとね……。まずは、笑顔」



わたしに向けてくれる君の笑顔が好き。