そのまま数日が経ち、わたしたちは普通に仲のいい友達だ。


今日は、日直の日。


隣の席の人同士でやるから、当然わたしは唯と共に仕事をする。


放課後、最後の仕事となる日誌を書いている時。


隣で頬杖をつきながら、日誌を書くわたしの手元を見ている。



「唯。あんま見ないでよ」



好きな人にじっと見られていると、変に緊張しちゃうじゃんか。



「えー。暇だし」


「じゃあなんか喋ってよ」



……いや、ここはわたしが喋るべき?


そうは思ったけど、生憎、わたしは口下手な方で、話すのは得意ではない。


どちらかといえば聞き役。


彼は悩んだ末、話題を振るべくスゥっと空気を吸う。



「蘭の好きな人、そろそろ教えてよ」



小テストの日から大分時間は経っていた。


もう、その話題は出ないと思っていたのに。


日誌を書く手が止まる。


けれど、顔は上げない。


何か、言わなくちゃ。


何を言えばいい?


ここで告白しちゃうのも違う気がするし、かと言ってウソはつきたくない。