「城崎」
「は、はい!」
「なんで敬語なの?
まぁ…いいか。
その…今日、楽しかった。
ありがとう」
そういい私とは反対方向を向いてしまった矢川君。
い、今!楽しかったって!?
「こちらこそ!!
楽しかった!!
矢川君!」
「ぷっ…ふはははっ!
そんな必死に返事しなくていいのに、くくっ」
あ…矢川君が笑ってる。
矢川君が声を出して笑っているところ初めて見た…。
そして、私は気づいてしまった。
私…矢川君に惹かれてる…。
「おい。
シカトか。
まぁ…でも。
お前といると楽しいから…
これからもよろしくな?」
「う、うん!!
よろしくお願いします!!」
私は動揺を隠すように慌てて立ち止まりお辞儀した。
「そういうところ、おもしろい。
可愛いと思う。
…って、素直に話してやってるんだから反応しろよ!」
私はただポカーンと口を開け矢川君をみていた。
自分の顔が赤くなるのがわかった。
矢川君なや可愛いって…。


