ハロウィンイベントに行かずに我が家へ来てくれた姿。
カボチャのお面を作ってる姿。
私が好きなお菓子を買ってくれている姿。
私と仲直りしてハロウィンを楽しもうと考えながら、この部屋で私を待ってくれている姿。
思い浮かぶ姿が全部私のためだと考えるとすごく嬉しい。
焼きもちを焼くことになった原因に純哉がわざと取っていた態度も関係しているのはショックだけど、ちゃんとそれを塗り替える行動を純哉がしてくれているから、何でも嬉しいと思えるんだ。
想われていると感じられるなら、ずっと好きでいられる。
……ううん。
わがままを言って独り占めしたくなるほどこれまでもずっと好きだったんだから、これからだって何だかんだ純哉のことが好きだと思う。
純哉も、同じように思ってくれてたらいいな。
胸の中が甘く温かい幸せで満たされて、自然と笑顔がこぼれた。
純哉の言葉にくすりと笑ってから答える。
「ハロウィンが仲直りイベントだなんて、何だか変な感じだね」
「そう? でも千菜ちゃんとこうやって仲直り出来たわけだし、まあいいじゃん。それに、わがままになるほどお互いのことが好きって確認出来たしね」
そう言ってにっこり笑う純哉。大好きな笑顔。
私を見つめるその表情が、とても愛おしいと思えた。
純哉に好かれていないかもと思って一人不安になっていた私はもういないね。
「千菜ー、夕飯出来たからそろそろ下りておいでー。純哉くんも一緒にねー!」
純哉が計画してくれた二人きりのハロウィンを楽しもうとお菓子をテーブルに並べていると、1階からお母さんが呼びかけてきた。まるで私たちが仲直りするのを待っていたようなタイミングだ。
「今行くから待ってて」と返事をしながら、そういえばと疑問をこぼす。



