彰たちは、電車を降りた。



………マジ?



杏は、俺と駅は同じで俺んちとは反対側の方向に住んでいるらしい。



いきなり意外なときに二人きりになれたけど。



あと一駅で終わりだ。


……そして到着を知らせるアナウンスが流れた。



「タケル君、ありがとう今日は楽しかったよ。…じゃあ、あたし、こっちだから…。」



「あっ、…もう暗くなってきたし、俺に送らせてくれる?」



このまま別れたら、きっと後で悔やむはずだ。



もう少しだけ……、杏と一緒にいたかった。


…はぁ。



俺って、何だか女々しいな……。