「あぁ、そうだな」

黒いサングラスで瞳は見えなかったけど、優しく笑う口元と柔らかい声音で、彼が最上級の笑顔を見せたんだとわかった。

「か、カッコいい!!」

「は、鼻血出そう!!」

同時に呟いた私達は思わず顔を見合わせてしまった。そして噴き出してしまう。

「鼻血って!どんだけなのアンタ!?」

「いいじゃない、あんただってよだれ出そうな顔してるし」

「これは癖なの!」

「変な癖~」

なんか、意外といい子なんじゃん。

私は目の前でクスクス笑ってる彼女を見ながら思った。

きっとみんな海斗や紅志のことが大好きで、その音楽も大好きで。それが私がメンバーに入ることで変わっていってしまうのが不安なんだろうな。

なんとなく、わかる。