VOICE



なんだか紅志の一言でやる気なくなった。

「岡崎さん、それはないよ」

「なんで?」

「や、なんでって……。まあいいや、それよりあんた!」

間の抜けた顔して私と紅志を見てた女の子に再び私は顔を向けた。

「なっ!なによ?!」

ハッとして我に返ったその子は負けじと私を睨み返してくる。けど。

「なあ、なんでこんなことするんだ?」

私の横で腕組んで見下ろす紅志に問い掛けられた瞬間、その子の顔は真っ赤になった。

あぁ……なるほど。

私はなんとなくわかった気がした。

「あんた、岡崎さんのファン?」

私が聞いてみると彼女は茹で蛸みたいに真っ赤な顔のまま、俯いてしまった。

「そ、そう。私は岡崎さんのギターを弾いてる姿を見るのがすごく好きなの!だけどっ」

キッと顔を上げ、私に鋭い視線を向けた彼女は更に話し続ける。

「アンタがバンドに入ったのが許せない!下手くそなベースで、せっかくの二人の音楽壊して。なのにいい気になって。なんでこんな子メンバーに入れたんですか!?」

グサリ。

彼女の言葉が胸に刺さった。

確かに私は、まだまだベースを弾き始めたばっかりで巧くない。前から海斗たちのファンだった子はショックだよね、私みたいにガキで下手くそな奴が急にメンバーになったら。