VOICE



数分後。

「あんたなに考えてんの!?人に鋏向けるなんてどういうこと?!」

逃げる女の子の腕を掴んだ瞬間、私は怒鳴りつけてた。道行く人たちの目が私達に向けられるけど、そんなこと気にならない。マジで腹が立ってたから。

しかも、振り返った彼女をよく見たら。

「あぁ~~っっ!?あんた!!」

前に道で私にコーヒーぶっかけた奴!

「ちょっと!離してよ!」

私が掴んだ腕を必死で振り切ろうとするその子。私は絶対に離すもんかとさらに強く手に力を込めた。

「痛い!離してっ、いたっ!マジ痛いっ!」

「いやっ!私にコーヒーかけたり鋏向けたり、理由を言うまで離さないっ!」

私と彼女が歩道のど真ん中でもみ合ってると、追い付いてきた紅志が私の肩に手を置いた。

「二人とも落ち着け!一回ストップ!」

紅志の低い声で一喝されて、私もその子もビクッとしてしまう。

「はっ、はいっっ!」

私は背筋を伸ばして返事をしてしまった。

「よし、じゃあまず二人とも道の端に寄りなさい。通行人の邪魔」

「「はい」」

二人して首根っこ掴まれた猫みたいに紅志の言うとおりに道の端っこに移動した。

そしたら紅志、ポン、と一回手を叩いて。

「はい、試合、再開」

無表情で言い放った。





……うそ~ん!?