「危ないっ!」
「ひゃっ!?」
紅志が叫んだと思ったらいきなり腕を引っ張られてた。目の前に紅志の胸が迫る。
なに?なになに!?
わけがわからないままに背後を振り返った私の目の前、光る物体が見えた。
「え、鋏!?わっ!」
黒のキャップを目深にかぶった髪の長い女の子が私に向かって鋏を突き出してきた!
まじ?!
なんて考えてるそばからまた鋏が向かってきた。
ギャーッ、刺される!!
パニクってしがみついたのは紅志の腕。またまた私に向けられた銀色が閃いて、もうダメだと目を閉じたら。
パシッ!!
「え?」
紅志の足が彼女の鋏に向かって蹴り上げられていた。
カシャンと道路に落ちたそれを見て、女の子はチッと舌打ちしてクルッと向きを変えて走り出した。
に、逃げた!?
私は唖然としたのも束の間、次の瞬間には地面を蹴って走り出してた。
「待てっ!こらっ、待ちなさいよっ!!」
「ちょっ、歌夜!?」
後ろで紅志の焦る声がしたけど、あえて無視。
正直、私、走るのは得意なんだ。陸上部から誘いが来るくらいに。そんな私から……。
「逃げられると思うなよ~!」
猛然と追いかける私に気づいた女の子はヤバいって顔した。
逃がさんっ!!
頼んだ!私の足っ!



