VOICE



ところで小さなライブハウスの楽屋はひどく狭い。だから私たち3人は汗を拭いて、一度外へ出ることにした。

「あぁ~涼しい!気持ちい~い!」

裏口は狭い路地に面してて。そこをすり抜ける風が火照った顔に気持ちいい。

私は着てた黒のミニスカートをバサバサさせる。

「おい……何してんだ」

へ?と振り返ったそこには片手でさり気なく目を隠してる紅志がいた。

「歌夜っ!お前一応女の子なんだから、そういうことしないの!」

紅志のあとから出てきた海斗が慌てた様子で私の手を掴んだ。

「あっ」

「げっ!!」

「………!」

私は悪くない。
海斗の私の腕を掴むタイミングが最悪だったんだよ。

「か……っ、隠すどころか丸見えじゃねぇか~っっ!!」

真っ赤になった私は海斗の手を振り払って、その場にしゃがみこんだ。
ま、見えたと言ってもスカートの下、ちゃんとショートパンツ履いてたけど、さ。

「ごめん歌夜!わざとじゃないんだってば!ね?」

両手を合わせて謝る海斗。





「あ、あの……」