VOICE






「っだぁ~~!!疲れたっ!」

小さな控え室。海斗は空いてた椅子に崩れるように座り込んだ。

「たった五曲で疲れてんなよ」

「だって久々だもん、あんなテンション上がって歌ったの!」

まあな、と紅志も頷く。その顔は満足そうな微笑みを浮かべてた。

「歌夜、お前、大丈夫か?目がイッちゃってるぞ?!」

ん?なんか海斗に心配されてる、私?
あぁ、ライブ最高だった~!信じらんないよ、私本当にあそこで弾いたんだよね?

あのステージでベースを……マジで……弾いた!?弾いてしまっ……た!?

「弾いちゃったよぉ~~~っっ!!」

「ぅえっ?!か、歌夜?」

いきなり頭抱えて立ち上がった私。
今更ながらパニック!!

「どどどどうしよ!どうしよ~?……ど~しよ、ど~しよ、オ、パッキャマラドパッキャマラドパオパ、ぉぶっっ!?」

紅志のでこピン、私のおでこにヒット!!

「痛い……」