ＶＯＩＣＥ

その、瞬間。


ザワッ！！


オーディエンスの空気が変化したのがステージ上の私にもはっきりとわかった。


様子を窺ってた彼等の顔に驚きの表情が広がった後、周りの様子を見る。


良くね？
このバンドいいんじゃねぇの？！的な……私の勝手なアテレコ。


その間も海斗の真っ直ぐに伸びる声は彼等のココロを奪いに広がってく。


あぁ……私の心臓も持ってかれそう！


必死で海斗の声についてく。


まだまだ。まだ足りない！
もっともっと……！！


メロディーを歌い終え、サビに入る瞬間。


視界が真っ白になった。


薄暗かったステージに目が眩むほどの照明が一気に当てられた。


目を開けていられない。オーディエンスの姿も一瞬消えた。


まるで光の海の中で弾いてるみたい！！


やっばい！
ライブって……。


最っっ高！！


後はもうそのまま。
突っ走った。