――2週間後。
あの街頭で私が彼らの腕をガッチリ掴んだ場所。
その遊歩道の木陰に、彼らと一緒に立ってる私がいた。
しかも、ベース持って!
なんだこの展開は!?
って思ってんのは私だけじゃないはず。
ね、読者の皆さん?
こんなことになった原因は私なんだけど、さ。
あの日、二人の腕を掴んだ私に、まず反応したのは歌を歌ってた彼。
彼の名前は日比谷海斗。そしてギターの彼は岡崎紅志というのだと教えてくれた。
海斗は真顔を崩してプッと噴き出して笑い出した。
「あはははっ!オモシロいねキミ、なんて名前なの?」
話しだすと人懐っこい表情になった海斗を見て、私は胸をドキドキさせながら答えた。
「あ……わ、私、霧原歌夜っていいます!」
「カヤ?珍しいね、どんな字書くの?」
「歌う夜、です」
私が答えると海斗は、へぇ~、と声を上げた。
そしてそのまま笑顔でひとこと。
「で?何が出来るの?」
唐突な質問に私は一瞬目が点になった。



