少しの間、ジッと俯いてた珪甫はキッと私の目を見返してからやっと口を開いてくれた。
「わかった。でも……」
「でも?」
「今から俺が薬買ってくるから、せめてそれだけでもつけろ。分かったか?」
「え、あ、うん……ありがと」
「礼言うくらいだったら、いい演奏しろ」
そう言って珪甫は立ち上がって海斗たちに声を掛け、裏口へ向かって行ってしまった。
そんな珪甫の後ろ姿が扉の向こうに消えたのを確認してから私は溜め息を吐き出した。
なんか私。スッゴい迷惑かけてる……。
控え室の片隅、私は急激に落ち込んだ気持ちと共に頭をカクンと下げた。
あー最悪。



