「なんで言わないの?!怪我してんだよ!そんなの黙ってたってすぐバレるだろ?!」
葵の言ってることはもちろんよく分かった。
でも、正直これ以上みんなに迷惑や心配かけたくなくて。
「分かってる、けど!これ以上ライブの前に心配事を増やしたくないの!」
また、海斗達に心配かけるより、私が我慢するだけのか全然いい、紅志たちにこれ以上……。
「歌夜……」
葵が。葵までもが泣きそうな顔して唇を噛んでいた。
私は黙ったまま、とにかく小銭を自販機に放り込んで、ミネラルウォーターのボタンを押した。
ガコン、と音を立てて出てきたペットボトルを緩慢な動作で取り出してから、私は葵に向かって笑顔を向けた。
「だーい丈夫!今からはライブの時間までずっと海斗たちと一緒にいるし。心配ないって!」
できるだけ明るい声で言って、葵の手をギュッと握ったら、まだ少しだけ心配そうな顔の葵が肩をすくめた。



