VOICE



疑問を感じた時にはもう遅かった。

「差し入れだよっ!!」

いきなりきつくなった口調と同時に左腕に激痛。

「いっ……っ?!」

痛みに見開いた目で見れば、私の左の二の腕には折りたたみの傘。
それで目の前の彼女は思いっきり私の腕を殴りつけていたんだ。

あまりの痛みに腕を押さえて屈みこんだ私の頭上から、罵声が降ってきた。

「あんま調子のってんじゃねぇよ!下手くそが!」

「メンバーに入った上に、紅志と付き合ったりとか、ありえねーっつぅの!お前まじウザいんだけど!?」

紅志とのこと、なんで知ってんの?

顔を上げれば、さっきまでにこやかだった二人の顔は、私のことを憎々しげに睨みつけていた。

「堂々と手なんか繋いでんじゃねぇよ!お前さっさと辞めてくんない?!」

「でなきゃ、こんなもんじゃ済まさないよ!!」

金髪の子が、フッと傘を振り上げたのが見えた。

……やばっ!もう一発来る!!

私は、動くことも出来なくてギュッと目を閉じた。