VOICE



このまま海斗をからかうのも面白い、と思ったけど。

「んなことは今はいいとして~、バンド名か……。海斗は?なんか考えてないの?」

「てかなんで俺は海斗で紅志のことは岡崎さん、プラスはぁと付き、なの?」

「私の胸覗いたヤツにさん付けなんてしてやらん!それよりバンド名!」

私がふくれっ面で答えると、海斗はああ~、と納得した。

って、納得しちゃうの?!

「ん~バンド名ね、そうだな……なんだろなぁ」

コロッと話題を元に戻して、海斗は顎に手をあてて考え始めた。同じように私もぼんやりと考え始めた。






数分後、不意に海斗が口を開いた。意味ありげな微笑みを浮かべて。

「KAITO☆STARDUSTは?」

「……パクリじゃん」

「海斗バンド」

「それもどっかで聞いたことある」

「美男と野獣」

「……誰が野獣じゃ!」

「わかった!海斗JAPAN!」

「………」

「ごめんなさい」

海斗の言葉を完璧無視して、私は考え続けた。
バンド名ってやっぱり、みんなに覚えて貰えるものでないと。