なんて、下らない事を考えた瞬間、ズンズンと珪甫のバスドラム。 へ? 我に返ってドラムセットを振り返った私は、耳を疑うような台詞を聞いてしまった。 開き直りってやつだろうか? 珪甫はいつものポーカーフェイスで口を開いた。 「違うよ、海斗。大好きじゃなくて、俺は岡崎さんのギターの音、愛してんの」 ―――あ。 紅志が煙草吹き飛ばした。 どうやら海斗より強者がいたみたいだ。