「だって、珪甫は紅志のギター大好きでしょ?見てたらわかるさ~」

「な……っ!」

サラリと恥ずかしいことを言った海斗に、珪甫は息を呑んで目を点にした。そして。

うわっ!珪甫の顔、真っ赤!

私もうびっくり。こんなに感情が表に出てる珪甫、初めて見た!

ていうかそっちの隅で紅志が口開けてますけど……。

しーーん、としたスタジオの中、海斗は私達を見て首を捻った。

「あれ?間違えた?」

「海斗、間違ってはないけどさ。それスッゴい……恥ずかしいから」

私は静かにツッコんだ。

海斗って、こういう気恥ずかしいこと臆面もなく言ってのけるよね。ある意味羨ましいけど。

「お前もう少し言葉を選べ、バカ……」

軽い溜め息と、煙草の煙を吐き出しながら紅志が力なく呟いたりして。

「そ?だってホントのことだからイイじゃん」

口を尖らせて拗ねてみせる海斗。

うわ~久々に可愛い顔見た!

デレ~っとした顔で海斗を見ていたであろう私に、低~い声。

「……歌夜?なにデレデレしてんだ?」

振り向けば、冷た~い視線を私に向けている紅志の顔。

………こわっ!!

スタジオの一角だけ冷たい風、吹いてません?