VOICE



肩を叩かれた海斗は、突然、ガクンと首を下に向けてクスクスと笑い出してしまった。

「くくくっ!歌夜も珪甫もイイ性格してるなぁまったく。俺らのがよっぽど弱っちく見えるわ」

苦笑いで顔を上げた海斗。そこにすかさず珪甫の鋭い言葉が飛んだ。

「ホント、リーダーのくせに泣いてんじゃねぇよ」

「な……泣いてないもん!」

「嘘だ。泣いてたね!」

「泣いてな~い!!」

「な~い~て~た!!」

……ガキの喧嘩が始まってますけど?

さっきまでの深刻な雰囲気は何処へやら。ギャーギャーと二人の騒がしい声でスタジオの中は埋め尽くされた。

まぁね。やっぱみんなこうでないと。

私がチラリと紅志の方へ視線を向けると。
困ったもんだ、って顔して笑ってる紅志がいた。
私も同じ様に笑ってしまった。

「こういう空気が一番私達のバンドには合ってるな~」

そう呟いた。