「……マジ?」
私達は全員揃って聞き返してた。
ありえねー!マジありえねー!
なにそれ?シメるって、私なにされるの?!
顔面蒼白になりつつも、私は地面にしゃがみ込んだまま登を問い詰めた。
「ね、ホントに敦士って言ってた?!マジで敦士?!」
「うん、敦士ってアイツだよね、BLACK NOISEのボーカル。歌夜あんた相当気に入られてんじゃん?」
き、気に入られたくもないわっ!
あ~ん、どうしよっ!
泣きそうになる私の背中にふっ、と手のひらの感触。紅志だ。優しくトントンと叩いてくれる。
「歌夜は俺らがちゃんと守る。それよりアイツ……マジでシメる」
横にいた紅志の顔を見れば……げっ、恐っ!!
目が本気だ。怒りに燃えてるのが分かる。
でもって。
「あのヤローなに考えてんだよ、最低だな。しかも女相手に女使ってシメるって……有り得ねぇだろ?!」
海斗も今までにないくらい、押し殺した低い声で口を開いた。
二人ともマジで怒ってる。



