VOICE



それにしても彼の笑顔にはかなりの攻撃力がある、と私は思ってたりする。

だって普段、クールな人が笑った時にとろけるような柔らか~い笑顔になったら……ね。
ダメでしょ!悩殺でしょ!ノックダウンだよ!

私が紅志の笑顔にでれ~っとしている時、ガチャリとはなれのドアが開けられ、海斗が顔を覗かせた。

「なに歌夜、その顔?ヨダレ垂れそうな顔してるぞ」

……失礼なヤツだ。

「ウルサい!私がどんな顔してようと海斗に関係ないないも~ん」

私はイ~ッ、と歯を見せて海斗を睨んだ。その私の横でククッと笑う紅志の声。それを聞いて私はますます膨れっ面になった。

「ま、それはおいといてさ~」

コロッと話題を変えて海斗が部屋に上がりながら話を始めた。

「バンド名、なにがいい?」

「え?」

「あ……」

私と紅志がそれぞれに声をあげた。

肝心なこと忘れてた!!

「ね、忘れてただろ?なんかいいアイデアない?」

海斗は手に提げていたコンビニの袋からペットボトルの水、サイダー、紅茶を出した。それから何故か……。

「は?ゆで卵?なんで?」

コロンと一つだけ、ビニール袋からゆで卵が出てきた。

「え?ゆで卵だよ、なに?」

キョトンとした顔の海斗。

「なんでゆで卵があんの?てか誰が食べるの?」

「え、俺が食べるに決まってんじゃん!サイダーとゆで卵は定番だろ?」

当然って顔で卵の殻を割りはじめた海斗。

「……定番、なんですか?」

ゆっくり紅志の方に首を回して、チラリと見れば。早速ミネラルウォーターに口をつけていた紅志が。

「こいつ、バカだから」

なっ……そのひとことで済ませるあたりスゴい。