プロ、かぁ……。
やっぱり私にはまだまだピンとこないなぁ。
なんて俯いてみんなの靴を眺めてたら。
「あ~~っっ!!めんどくせぇっ!!」
「えぇっ!?」
雄叫びをあげたバンドリーダーは、ガバッと立ち上がって頭をワシャワシャ掻き回した。
そして驚いてる私達を見下ろして言った。
「プロだとかアマだとか、んなもんめんどくせぇっ!俺は、お前らと音が出せりゃいいんだっ!!お前らもそうだろ?!プロ目指すだとかそういう細かいことは……、なるようになれ!もしくは紅志!お前の担当だっ!!」
ビシィッ、と紅志を指差し、何故か胸を張る海斗。それを見て珪甫が呆れた声をあげた。
「うわ……ありえねー」
「ていうか細かいことって……そこが大問題じゃない?」
私も呆れてしまう。さすが海斗?!
そんな呆れ果てた私と珪甫の横で、一人だけ笑ってる紅志がいた。
な、なんで笑ってんの?!
くくくっ、と笑いながらギタリストは口を開く。
「バカヤローだ、やっぱ……」



