「行く行かないはお前の自由。大学入ったって、入らなくったって、バンドで成功する奴はする!しないやつはしない!それに、自分のしたいことするのが一番だと俺は思うぞ?」
「でもさ……もし、バンドでダメだったら? プロになれなくて、大学にも行かなかったら。私その後、どうしたらいいの?」
あぁ~なんだか私の思考、マイナスに傾いてきた。やだ~っ!
「歌夜。一つだけ父さんからアドバイスだ。いいか?やる前からダメだった時のこと考えてる奴には、だいたいロクな結果は出ない!ダメだったらその時はその時、成功する事だけ考えてりゃいいんだ!」
自信満々で、笑顔全開で言う父に、私も少しだけ笑ってしまった。
「それ、誰の受け売り?」
「ん?父さんのオリジナル!」
堂々とピースサインをする。
「え~~、説得力ないよ~」
「なに?!失礼な!仮にも父さんは歌夜の父さんなんだぞ!納得してくれよ!」
「えぇ~、なんかあまりに笑顔で言うから胡散臭い」
「そんなぁ~!珍しく真面目モードで答えたのにぃ~。ちぇっ」
ちぇっ、って……。子供みたいなんですけど?!



