VOICE



沈黙に耐えきれなくなった私は、そっと横目で紅志を観察した。見れば紅志はイヤホンをして音楽を聴いている。
その横顔をジッと私は見つめた。

横から見ても鼻が高く彫りの深い顔がよくわかる。伏せた目元の睫が意外と長い。柔らかそうな黒い髪が額にサラリと揺れてる。

あぁ~ん、ヨダレ出そうなくらい格好いい!

なんてアホなこと考えながら紅志に見惚れてたら、急に彼がパチッと目を開けてこっちを向いた。

「わっ!」

私は慌ててノートへ向き直った。

「なに?」

右耳のイヤホンを外して紅志が問い掛けてきた。

「いや、別になんにもございません!すいません!」

私が両手を大袈裟に振ってると、不意に彼が破顔した。

「そんな恐がらなくていいよ、別に顔見られただけで怒りゃしない」

「あ……バレてましたか……」

「バレバレ。視線が突き刺さってきたし」

少しだけ意地悪な口調で笑った彼の、意外な一面を見た気がした。

岡崎紅志は見た目はクールで近付き難い印象だけど、話すと意外と柔らかい印象に変わる。
普段が無表情だから、整った顔つきも手伝って冷たい雰囲気がするのかもしれないな、と改めて思った。