それから数分後。
「じゃあ、また練習でな」
軽く手をあげて背中を向けた紅志を私は家の前で見送った。
少しずつ小さくなる背中を見つめながらポーッとしていると。ポンッと肩に手が置かれた。
「歌夜~、なぁにでれっとしちゃってんのかなぁ~?」
「えっ!?どわっ!父さん!!」
振り向いたそこにはニタニタと笑う父が立っていた。
「なんでこんなとこにいんの、仕事は?!」
「今日は月曜だからお休みだよ~ん」
そう言ってピースする父親。
「なになに、今の誰?!あ!もしかして彼氏ってやつか?へぇ~歌夜も大人になったもんだぁ~!んでんで?もうヤることヤッちゃったのか?!」
恥ずかしげもなく大声で訊いてくる父親。道行く人の視線が痛い。
「……っの、父さんの、ぶぁ~かっ!!いっぺんコンクリートに埋まってこい!」
ゴイン!
「いったい!歌夜~手加減してくれよ!」
「知らんっ!!」
私は父を残し家の玄関へ向かった。
なんか、この会話パターン、誰かさんと似てない?
気のせい?



