「わ、私と恋愛、しませんか?!!」
「…………」
あわわわわ!!
沈黙!?沈黙だよ!どどっどうしよう?!
目の前の紅志、少し俯いてて、前髪で表情が読み取れない。
やばっ!どうしよー、私やっぱり間違えた?!
一人脳内プチパニックを起こしてる私の耳に、不意に小さな笑い声が聞こえた。
え?
「くくくっ!……ふふ、ははは!」
その広い肩が震えだしたかと思ったら、紅志が我慢できない、といった感じで笑いだした。
「うそ……大笑い?!」
その後もなかなか笑いがおさまる気配のない紅志に、私はおずおずと声を掛けた。
「あのぉ?岡崎さん?」
「紅志だっつっただろ?」
意外にも普通の声で返事が返ってきた。
フッとひと呼吸おいて、紅志は笑うのをやめ、私の目を見た。
真剣な表情になってた。
「歌夜、お前この前俺になんて言ったか覚えてるか?」
あの、ファミレスでのことだろう。
「あ、はい覚えてます。バンドに恋愛はいらないって……」
「そうだよな。もう、意見を変えるのか?」
………!!
冷静な、低い声が私の耳に響いた。



