VOICE



――てなわけで。

「岡崎さん!!いや、紅志!」

「?!」

いつもの海斗の部屋のドアをバッターン、と勢い良く開けた私は中に紅志の姿を確認して叫んだ。

相変わらずアコギを弾きながらくわえ煙草の紅志が、私の声にびっくりしてこっちを振り返った。

海斗は……いないのか。ちょうどいいかも。

私は靴を勢い良く脱ぎ捨てて紅志の目の前まで行って。

「あのっ!あのですねっ!」

ていうか、私なに言えばいいの?!

そこでハタと気付いた私。

「どうした、歌夜?」

吸っていた煙草を口から離し、口を開いた紅志。その顔を見て私は……。

あぁ、やっぱりカッコいい!その瞳は犯罪ですっ!キミの瞳をタイホしちゃうっ!!

「じゃなくてっ!」

「は?」

心の声と実際に口に出してる言葉がかみ合ってない。

えっととりあえず、えっと!

私はすぅっ、と息を吸い込んでひとこと言った。