VOICE



頭に置かれた手のひらが温かくて。

「……ありがと」

小声でぽつりと呟いた。
なんか、わけもわからず恥ずかしくてうつむいてしまった。

そんな私に海斗の柔らかい声が降ってきた。

「いいえ~、どういたしまして」

「……ていうかキャプテンってなんだよ、それを言うならリーダーだし……ふふっ、海斗ってばぁか」

「あっ!バカって言ったな?!その言い方、紅志と一緒!」

「え?!」

不意に耳にした紅志の名前に、ドキッと心臓が跳ねた。そしたらすかさず。

「ははっ、歌夜わっかりやすいなぁ!顔赤い!」

「……んもう!!海斗の馬鹿っ!スケベ!!」

「なにそれヒドッ!!」

「ウルサい!このエロ親父!!」

「ひっでぇ歌夜!街中でそれはないよぉ!!」

情けない顔をして言う海斗を見たら、笑いが堪えきれなくなってしまった。海斗も私も顔を見合わせてクスクス笑い合いながら、人混みの中を歩いてた。

きっと変なヤツらだと思われただろうな、なんて思いながら。