VOICE



海斗の優しさにほんわか胸が暖かくなった気がした。

「ふふっ」

自然と笑いがこみ上げてきた。と同時に自分に腹が立った。

まったく、自分がいやんなる。みんなに心配かけてるなぁ、私。

「ごめんね」

私は立ち止まってしまった。

「ん?なんで歌夜が謝ってんの?」

目を丸くした海斗が戻ってくる。

「だって私、みんなに迷惑かけて……」

「かけてないって。誰だって悩みの一つや二つ、気分が乗らなかったり、落ち込んだりすることなんて、いっぱいあるんだし。たださぁ……」

ポンと私の頭に手のひらを乗せた海斗は私に顔を近付けた。目の前15センチにその綺麗な瞳。

「一人で抱え込むと、ろくな事ないから。誰かに相談しろよ?もちろん俺様にでもいいから。な?」

そう言ってウインクをひとつ。