VOICE



気付けば私の憂鬱な気分はいつの間にやら消えていた。
数日前のあのなんとも居心地の悪かった雰囲気は欠片もなく、いつも通りの4人。

私の心配は何だったんだ?!

肩すかしを食らった気分の私だったけど、内心すごく安堵していた。

あのままだったらどうしようかと思ってたんだ。良かった!

登に言われた恋愛云々や、さっきヒドいこと言った珪甫の言葉も、あっと言う間に心の隅っこに追いやられ、私は気持ち良くスタジオでの練習を満喫してた。

だけどこの時の私は、自分のことにばっかりで、彼らの様子がほんの少しだけ違うことに、全然気付いてなかったんだ………。