VOICE



「す、すすすすす好きって!私が海斗を?!」

かなりの動揺が私を襲う。

……確かにあの時、胸がドキドキしてたけど。

あれは……あのバラードを弾いてる海斗の歌にドキドキしてたんだ、よね?

スプーンをプリンに突き立てたまま、私は考えてた。

海斗は、カッコいい。それは確か。
あの天使みたいな笑顔も、たまに天然でボケてるところも、ライブで歌ってる姿も……かなりカッコいい。

けど……。

「な、ないないっ!それはないっ!」

私は首をブルブル振って、完全否定。

そうだよ……そんな、バンド内で恋愛なんて……。

「ホントに?」

「ホントに!!」

即答。

「ふ~~ん。ならいいけど」

少し疑った様子で私を見ていた登。





……そんな、バンドの中で恋愛なんてしてたら……。



バンドが、壊れるよ………。