VOICE



「てなわけでさぁ、なんか微妙な雰囲気なんだよぉ。なんでだと思う?」

「……ていうかなんで相談相手、僕なの?」

「だって海斗と岡崎さんのこと知ってる友達、他にいないもん」

「いつから友達になったのさ?」



私の向かいの席でバカでかいパフェと格闘しているゴスロリ娘……いや、息子?

沢口登である。

私は彼をファミレスに呼び出して、相談していた。

相変わらずこの子の胃袋のサイズがわからん……。

なんて呆れながら頬杖をつく私に、登は可愛らしい顔のままため息を一つ。

「ほんっとにわかんないの?」

ピシッとロングスプーンを私の鼻先に向ける。
目を寄せてそれを見ながら私は頷いた。

「わかんない。さ~っぱり!」

「……不憫だ」

肩をすくめてそう呟いた登は、またひとつ溜め息をついた。

なに~?私全然わかんないですけど?!