やべぇって何よ?!
いつもだったらそう突っ込んで聞くとこなんだけど。私は声に出せずに海斗の顔を見てるだけ。
な、なに?やべぇって、何がヤバいの?!
なんだか困った顔で私を見てる海斗が、何かを言おうと口を開いた時、ドアが開く音がして、紅志が帰ってきた。
「………何?」
私と海斗、二人に無言で見つめられた彼は、眉をひそめた。その声が、いつもよりも硬い響きを含んでる気がしたのは気のせいかな?
なんだか、不機嫌そう?
「いや~、今さぁ歌夜に俺様のかっこいい歌声を披露してたとこ!紅志も聴く?」
慌てて言う海斗の様子もいつもと少し違う。
……なんか、変な空気だ。



